定期掲載 「社長室前から」 vol.164
- 2017年02月18日
元気な産地づくりプロジェクトチーム 田口 多喜子
― がんばってます!冬の秋田の農業―
このところ降雪量が増え、車での通勤に時間を要している読者の皆様、あと1月頑張りましょう!春の来ない冬はありませんから・・・。
さて今回は、この季節を利用して野菜の生産を行っている県内の産地をご紹介したいと思います。
まずは、「促成栽培」の代表格、現在本格出荷を迎えている“あきた白神山うど”です。
平成19年9月に地域団体商標登録を取りました。昭和54年に旧二ツ井町で2戸の農家が栽培をスタート。その後、平成10年「あきた白神農協」誕生に伴い、旧能代市や藤里町にも作付が拡大しました。現在約90haの栽培面積で、県内一の栽培・販売規模を誇ります。
春から秋にかけ、畑で養成した株を掘上げ、11月頃からビニールハウス内に伏せ込む“促成栽培”が行われます。出荷は、12月下旬から始まり、天然物が出回ったあとの5月下旬頃まで出荷が続きます(JAあきた白神HPより)。
うどは捨てるところがないと言われるほど、全部利用できる万能野菜です。葉は天ぷら、茎は味噌汁、煮物、揚げ物等。生で食べた時の独特の香りとシャキシャキした食感も格別です。
続いては、パイプハウス等で冬の寒さを利用しておいしい野菜を生産するタイプから。まずは、JA秋田ふるさとの“アスパラ菜”です。夏場にキュウリを作付したハウスの後作として栽培されます。今年は記録的な大雪となっている横手や十文字が産地ですが、現在出荷ピークを迎えています。
今年は断続的な降雪により、換気のタイミングが難しく、白さび病などの発生が心配されましたが、①被覆資材に水滴が見られる場合は、午前中から換気を行って湿度の調整を図る、②ハウス内の暖房器具の設置などで凍結防止を図るなど、JAによる呼びかけ指導が行われ、高品質のものが出荷されています。
今月と来月頭が最盛期で、やさしい味は一足先に春を感じさせる野菜となっています(昨日開催の野菜とくだもの塾は“アスパラ菜”がテーマでした。)。
アスパラ菜は、もともとは中国野菜のサイシン(菜心)と紅菜苔を掛け合わせて誕生したものです。名前の由来は、茎の形状がアスパラガスに似ていることによるものです(オータムポエムとも呼ばれますが、これは開発したサカタのたねが登録した品種名です。)。
和洋中どんな料理にも合うことから、消費が伸びています。
同じく県南が産地の“ふくたち”。2月16日のHPでも紹介がありました。
3月からの出荷に向けて、現在順調に生育中です。
10月初め種まきし、育苗後11月半ばにハウス内に植付けしたものです。厳寒期のなかを潜り抜け、春を待ってとう立ちしたものを食します。
さてお次は“プチヴェール”。JA秋田みなみ管内の男鹿地域で、パイプハウス内で生産されています。フリルがかった葉は、緑のバラの花のようで、食べやすい一口サイズで、結球しない芽キャベツです。収穫は1月から始まっていますが、本格収穫は3月です。一本の茎に50~80個付くそうです。
育成元はマスダ採種場。芽キャベツとケールの交配により平成2年に誕生しました。ちなみに名前はフランス語で「小さな緑」を意味するそうです。熱湯で1・2分茹でるだけで、どんな料理にもマッチします。
以上は冬の寒さを利用した施設栽培の野菜のご紹介でした。
続いて、同じく冬の寒さと雪を利用した露地野菜のご紹介です。すでにお馴染みとなった雪下キャベツ。
雪を掘り起こして収穫する野菜は、昔から“「雪下野菜」”と呼ばれ、北海道や東北など積雪の多い土地ならではの野菜として、その土地でのみ出回っていました。基本的には、秋に収穫する野菜をあえて収穫せずに雪の下でそのままにしておくか、収穫後、雪の中で貯蔵します。
千葉県などのこの時期取れるキャベツは、葉がグリーンですが、雪下キャベツは外葉が寒さや凍結により傷んでしまうので、取り除きます。そのため見た目が白っぽくなりますが、甘味があり繊維も軟らかく感じられます。
このキャベツを利用した催しが以下の通り開催されます。是非参加してみてはいかがでしょう。
イベント名:「雪中キャベツ収穫体験」
日時:平成29年3月5日(日)
場所:由利本荘市東由利老方(東由利町野球場前)
体験料:1,000円 定員:先着200名
申込み先:東由利グリーン・ツーリズム研究会事務局
TEL:090-4886-9721 FAX:018-803-5194
E-mail:kizakuranoyado@gmail.com
E-mailかFAXで、参加者名、電話番号、人数をお知らせください。
*なお収穫体験したキャベツ5玉(10㎏前後)を持ち帰ることができる他、フランス鴨汁、黄桜温泉湯楽里の入浴券も付いてきます。
この他、促成栽培のアスパラガス、山菜類や葉付きダイコン、雪下ニンジンなどまだ沢山の品目が生産されています。がんばれ秋田の冬の農業!!
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